国語の学習法 目次
このページでは、国語の学習法をおおまかに説明していきます。リンクはすべて新しいタブで開くようになっているので、参照してみてください。
目次
国語=現代文・古文・漢文
国語という科目は、それ自体「理科」などと言っているのと同じです。
つまり、国語の中に、「現代文」「古文」「漢文」という全く別の言語が含まれるのです。
考えてもみてください。現代文は現代日本語、古文は中世(ころの)日本語、漢文は古代中国語なのです。
全く異なるのは当たり前ですよね。
そういうわけなので、国語の学習は現代文・古文・漢文で分けます。
国語の学習の優先順位
これは、後々述べる内容にも関連してくるのですが、国語の学習は、他の英語・数学といった科目とは異なり、その中で明確な優先順位付けをする必要があります。それは、「効率」の観点からです。
第一位 古文
第二位 漢文
第三位 現代文
説明しましょう。国語の学習において、現代文は、独学が可能ではありますが、結局消化不良になってしまう危険性を孕んでいます。もちろん、効率的な学習は可能ですが、他との比較の上では、これは危険です。最下位に位置付けるべきです。
古文と漢文は、暗記さえすれば飛躍的に得点は向上するという意味で、「コスパ」がいい科目です。結果、両者ほぼ同順位と言うべきですが、漢文の「句法」は古典文法を基礎にしているという点で、その後に実施すべきと考えます。
<まとめ>
国語の学習の順序
古典文法→漢文句法→古文・漢文の読解→現代文
古文の学習法
古文は得点源!
次に、古文の学習法について見ていきます。
古文は一般に「得点源」であると言われています。というのが何故かと言うと、古文は暗記が通用するからです。
古文の問題の典型的な類型としては、たとえば
「傍線部の品詞分解をせよ」
「傍線部を現代語に訳せ」
「○○とあるが、ここに至る経過を60字で記せ。」
といったものがあります。どれも暗記で対応できるものです。品詞分解は文法の知識で、現代語訳や内容説明は文法と単語の知識、そして読解の知識があれば十分です。そして、その知識のレベルは現代文と比べると気軽なレベルで十分です。
したがって、古文は適切な学習さえすれば、どんどん得点が上がっていくものです。時間をかけましょう。
古文の学習ステップ3つ
古文の学習は3ステップ+1つの流れに分かれます。
step1.文法
step2.読解
step3.答案作成
流れA.単語学習
全体のイメージとしては、以下の表のようになります。
1.文法→ | →2.読解→ | →3.答案作成 |
A1.単語(易)→ | →A2.単語(難) |
1.文法
文法学習は全員、もれなく、必ず行わなければならない、避けては通れないステップです。この段階では、文法入門として、古典文法の全体像を掴むこと(したがって、網羅的な暗記はしない)を行ってから、文法学習として、網羅的な暗記をしていくこと、そしてある程度の演習を積んで、完成を目指します。
<まとめ>
文法入門→文法暗記→文法演習
2.読解
この段階では、実際に古文として出題される文章を読みながら、読み方の技術を身につけていきます。これは、ここまで学習した文法の復習、また並行して進めている単語の確認、といった面も備えています。本文の言っていることは何か、現代語訳が出来るか、に注意しながら進めていきましょう。
3.答案作成
ここでは、実際に問題を解きながら答案の書き方を練習していきます。特に記述問題では現代文ほどでは無いにせよ、読み取った内容を簡潔かつポイントを抑えて記述する必要があるので、多少の練習が必要となります。
古文の参考書紹介はこちら
漢文の学習法
漢文は得点源!
次に、漢文の学習法について見ていきます。
漢文も、古文と同様、一般に「得点源」であると言われています。というのが何故かと言うと、漢文は暗記さえしておけばあとは少しの練習で読み解けるようになるからです。
漢文の問題の典型的な類型としては、たとえば
「傍線部の読みを書け。」
「傍線部に訓点を付せ。」
「傍線部を現代語に訳せ。」
「○○とあるが、ここに至る経過を60字で記せ。」
といったものがあります。どれも暗記で対応できるものです。読み方・訓点は句法などの知識で、現代語訳や内容説明は文法の知識、そして読解の知識があれば十分です。そして、その知識のレベルは古文と比べても気軽なレベルで十分です。
したがって、漢文は適切な学習さえすれば、古文以上にどんどん得点が上がっていくものです。最初のうちに完成させてしまいましょう。
漢文の学習ステップ2つ
漢文の学習は2ステップに分かれます。
step1.句法
step2.読解
1.句法
まず初めに、漢文の「文法」、基礎である句法を学習していきます。例えば、「返り点とは何か」ということから、再読文字・否定・疑問・反語など多岐にわたる事項を学びます。漢文の出題の意図は殆ど句法にあるので、この段階が非常に重要な意味を持ちます。
2.読解
この段階では、実際に漢文の問題として出題される文章を読みながら、読み方の技術を身につけていくとともに、解答作成の練習を行います。これは、ここまで学習した句法の復習、という面も備えています。本文の言っていることは何か、現代語訳が出来るか、に注意しながら進めていきましょう。
また、漢文独特の論理展開にも十分慣れておく必要があります。適した参考書を用いて学習しましょう。
漢文の参考書紹介はこちら
現代文の学習法
現代文って勉強しづらい?
現代文の学習は、独学ではかなりやりづらいと一般的には言われています。
それは、ある程度は真実です。というのも、著者の考え・論理を最も高いレベルで汲み取り、表現しなければならないのが現代文という科目であるゆえ、参考書だけの学習だとなかなかそこまで辿り着けないという人もいるからです。
しかし、ご安心下さい! 独習社.infoでは独学に最適な学習ステップ・そして最適な参考書を紹介します。
これを参考にすれば、効率的に現代文の成績UPを達成することが出来るでしょう。
現代文の学習ステップ3つ
現代文の学習は3ステップに分かれます。
step1.基礎体力養成 ・・・言葉の意味や現代文でしばしば用いられる用語・概念の学習をします。
step2.読解力養成 ・・・文章を「正しく」読む訓練をします。その際幾つかのテクニックを用います。
step3.表現力養成 ・・・読み解いた文章を、解答の形にうまく表現するやり方を学びます。
とくに大切なのが1.基礎体力養成です。このステップを置くことによって、難解に思われる文章を、「知識」を用いてある程度理解することができるようになるので、読解の足枷を外す助けになります。
現代文の学習ステップをさらに詳しく
それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
1.基礎体力養成
基礎体力養成においては、漢字の学習・語彙の習得・概念の習得を行います。
例えば、「相隣関係というガイネンを学ぶ」という文において、ガイネンを「概念」と書けるようにすること。
他に、語彙の習得としては、たとえば「対象化」という言葉がありますが、これの意味はなかなか一般的であるとは言えません。にも関わらず、現代文では何の説明もなく用いられます。こういった言葉の意味を知っておきたいですね。
さらに、概念の習得として、例えば「バーチャル」というのが何なのか、また関連語・対義語を学ぶということです。予め一定の知識を持っておくことにより、現代文の読解が飛躍的にしやすくなります。
2.読解力養成
現代文において、何が求められるかというと、「読解」、読み解くことです。それは筆者の言いたいことを汲み取ることでもあります。
筆者は、自分の言いたいことを伝えるために、様々な技法を駆使しています。例えば、「繰り返し」、言いたいことを何度も繰り返します。また、他には「対比」、言いたいことに対置される概念と比較することによって、言いたいことを強調します。
こういった「技術」を知っておくこと、そして徹底的な練習を通じて、精確な読解力を鍛えることを目標とします。
3.表現力養成
現代文において、「読解」しただけ、筆者の言いたいことを理解しただけでは試験において得点することはまだ難しいということはあります。
それは何故なら、「表現力」が不足しているからです。特に記述問題では表現力がなければ手も足も出ません。
では、表現力はどうやって向上させることが出来るのか。これは受験勉強のレベルを超えているというふうに思われるかもしれませんが、実際のところ、受験レベルの表現力をつけるだけなら、技術によりなんとかなります。
例えば、記述問題において重要なポイントは「定義」「主語」「理由」など、と言われています。
ここに、本文中のワードを使いながらそれぞれの要素を作っていきます。最後に、それらの要素を適切な、暗記によって身につけた接続詞を使いながら文章を完成させればよいのです。
こういった、適切に答案を作り上げ、得点力を上げる訓練を行っていきます。
現代文の参考書紹介はこちら
さあ、学習を始めよう!
いかがだったでしょうか。国語の学習法の全体像が明確になれば幸いです。
国語はあまり差がつかない科目と言われています。それは、多くの生徒が適切な学習法を知らず、「センス」によって解答していること、そしてセンスでもある程度正答出来てしまうことが理由のうちの一つなのではないかと思っています。
しかし、逆に言えば適切な学習をすれば、周りの受験生に大きく差がつけられる科目が国語です。是非、やる気を出して、学習に取り組んで欲しいと思います。