英語の学習法 目次


このページでは、英語の学習法をおおまかに説明していきます。リンクはすべて新しいタブで開くようになっているので、参照してみてください。

Ⅰ.段階を分けて考えよう!

英語の学習は、以下の4段階に分けて考えましょう。

基礎固め(単語・文法)

一文解釈(一文を正しく読む)

要旨把握(文章の要旨を素早く把握する)

実践演習・志望校対策

あなたはどの段階にいますか?

まずは、自分がどの段階にあるのか把握することが大切です。まずは簡単なテストを受けてみて下さい。5分もかかりません→簡易レベルチェックはこちら

簡易レベルチェックを受けてみて・・・

正答が7問以下だった方・・・基礎固めからはじめましょう。
正答が8問以上だった方・・・センター試験の過去問を解いてみて下さい。160点以下であれば一文解釈からはじめましょう。161点以上ならもはや一文解釈も必要ありません。要旨把握または実践演習に入ってしまって大丈夫です!
※この点数はあくまで目安でしかありません。もし学習をしていて行き詰まることが多ければ、前の段階に戻ってみる勇気も必要です。

実際問題、高校1、2生の方であれば基礎固めから始める人がほとんどです。心配する必要はありません。焦らず学習していくだけの時間があります。
高3生・高卒生の方はできれば8問は正解してほしい問題です。すこし焦った方が良いかもしれませんが、それで定着しなくなっては元も子もありません。一歩一歩を確実に進めていく必要があります。

Ⅱ.基礎固めの目的・内容

基礎固めとは、高1〜2レベルまでの単語・文法について暗記・理解することです。当然ながら中学生レベルまでの単語・文法についての理解も必須です。

目的

なぜ基礎固めが必要かというと、それはこの後の段階をスムーズにするためです。
基礎的な文法や単語が身についていないと、いちいち調べなければなりませんが、そうするともっと難しい内容など理解できません。

しかしながら、基礎固めは英語の学習のなかで、最初にして最も単調でつまらない段階です。
いかにしてここをぐっとこらえ、定着させるかが課題です。そして、そのような学習を可能にしてくれる参考書は残念なことに多くありません。

独習社.infoで紹介する参考書を用いて、効率よく、かつ楽しく基礎固めをしましょう!!
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Ⅲ.一文解釈の目的・内容

早速ですが、この文を日本語に訳してみて下さい。

Tens of thousands of people in the Philippines have had to wait for hours in the hot sun to cast their votes due to problems with the new automated voting system.

※単語 cast their vote:投票する

「こんなの簡単だよ!」って人もいるかもしれませんが、結構苦労する方も結構多いのではないかと思います。
ちなみに訳例はこんな感じです。
「フィリピンの何万人もの人々は、新しい自動投票システムの問題のために、投票するのに何時間もの間、炎天下で待つことを余儀なくされた。」

一応簡単な解説をしておきますと、(本題ではないので簡潔にします)
Tens of thousands of people in the Philippinesが主部(S)。特にpeopleが核。
have had to wait が述部(V)。
あとはfor hours 、in the hot sun、 to cast their votes、 due to problems with the new automated voting systemも全て修飾部。
文型としては最も単純なS+Vの第一文型です。

いかがでしょうか。実際の入試問題ではもっと複雑な文が出題されることもしばしばですし、この位の文は正しく解釈できるようになっておきたいものです。
このような作業を正確に行えるようにする練習が、「一文解釈」です。

なぜ一文解釈が必要なの?

一文解釈は、実際の入試問題で直接的に問われることも少なくありません。例えば、「下線部①を和訳せよ」といった問題はしばしば出題されます。また、文法問題でも英文の構造を把握することは非常に重要です。
しかし、一文解釈の練習をするのはそのためだけではありません。更に重要なのは、次の段階である「要旨把握」の準備であるということです。当然ながら一文が正しく読めなければ長文など読めるはずがありません。一文解釈を飛ばしてしまって要旨把握に入ったとしても、いつかボロがでます。であれば早めにやっておくのが吉といえるでしょう。

一文解釈の参考書は多くの出版社(予備校)から出されています。どれも一長一短ではありますが、独学者にオススメの、解説が詳しい参考書を紹介するので、ぜひ使ってみて下さい!

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Ⅳ要旨把握の目的・内容

要旨把握とは、「英語を英語として読む」ことによって、「文章の内容・要点を素早く把握する」ということです。
言い換えれば、英語を日本語にいちいち訳さないで、そのまま理解してしまい、その上で「現代文」的な文章理解をするということです。
これが出来るようになれば、難解な語彙が用いられていない文章であれば難なく読めるようになります。

受験英語のある種「到達点」といっても良いでしょう。

要旨把握の訓練をするには幾つかのパターンがあります。

1.パラグラフリーディング

パラグラフとは、日本語に言う「段落」のことで、英語の文章の「内容的最小単位」のことです。
これだけでは何を言っているのかパッとしないと思うので、例を挙げます。
次のパラグラフが「言いたいこと」を探してみて下さい。(ここでは日本語ですが、英語でも同じです。)

私はラーメンが好きだ。その理由は2つある。まず第一に、味が豊富であるからだ。醤油、味噌、塩、豚骨などスタンダードなもの以外にも多くのラーメン屋が趣向を凝らしたラーメンを提供している。第二に、ラーメン屋は安心して入れるからだ。多くの店は一人でも入りやすく、値段も驚くような高値ではない。ラーメンこそが私の生きがいの一つだと言っても過言ではないだろう。

一つのパラグラフには、以下の3要素があります。
(1)トピックセンテンス・・・筆者の「言いたいこと」
(2)サポートセンテンス・・・「言いたいこと」の補強・理由等
(3)コンクルーディングセンテンス・・・「言いたいこと」の言い換え・結び

このパラグラフでは、トピックセンテンスは「私はラーメンが好きだ」です。つまり、これを書いた人が最も言いたいことは「ラーメンが好き」ということなのです。別にラーメンの味について語りたいわけでは無いのです。
※この文章は私が書きましたが、あくまで例であって必ずしも内容が真実とは限りません(笑)

というように、一つのパラグラフには一つだけの「言いたいこと」があります。
これを見つけて、パラグラフごとの「言いたいこと」を総合して文章の「言いたいこと」(=要旨)を把握するのがパラグラフリーディングです。特に論説文に有効です(逆に、小説などでは不可。)

ちなみに、大学で論文やレポートを書く際にも、「1パラグラフ1トピック」の原則を守ると格段に読みやすく論理的な文章が書けるようになりますので、是非身につけておきたい内容です。

パラグラフリーディングの参考書紹介はこちら

2.対比

対比は、本文の内容をざっくり2つに分け、どちらが筆者の主張なのかを掴み、その全体像を明らかにする読み方です。現代文でもしばしば用いられる読解方法で、「二項対立」とも言われます。

もちろん注意しなければならないのが、すべての文章が対比の形で書かれているとは限らないことです。文章を一読して、これを対比として理解出来るか一度立ち止まって検討する必要があります。

以下に例を挙げてみます。私が言いたいことを考えてみて、「キーワード」を探してみて下さい。(ちょっと長いけど、我慢して…)

現代、我々はバーチャルな空間に生きていると言われる。VR機器の進歩はめざましい。SNSは高度に発達し、SNS上でのコミュニケーションが若者のコミュニケーションの半分を占めているという言説もある。しかし、電脳空間に没頭することによるデメリットはそのメリットを上回っているように思う。ネットいじめ、炎上、引きこもり、インターネットの発達による問題は枚挙に暇がない。そこで、我々はバーチャルな世界への依存から脱却し、リアルな世界へと回帰すべきでは無いだろうか。現実の世界で五感をフルに働かせ、実際に友人との会話を楽しむことこそが豊かな生への近道なのではないだろうか。

上の文章は「バーチャル」と「リアル」を対比しています。
そして、「バーチャル」を批判し、「リアル」を賛美しています。(あからさまですね)
キーワードを抽出してみるならば以下のようになるかと思います。

(バーチャル)
「SNS」「ネットいじめ(他)」「インターネット」などなど
(リアル)
「現実」「五感」「豊かな生」などなど

短い文章なのでこれくらいですが、長い文章で段落ごとに「バーチャル」と「リアル」の話を交互にしていくようなものになると、対比を意識して「今バーチャルの話だな」という風に思えるとぐっと読みやすくなるかと思います。

対比の参考書紹介はこちら

3.スラッシュリーディング

スラッシュリーディングとは、その名の通り英文にスラッシュ(/)を入れながら読む方法です。個人的にはあまりおすすめできません。というのも、スラッシュを入れて見えてくるのはあくまで一文の構造にすぎず、文章の構造には届かないからです。もしやるなら例を丸で囲む、などというふうになるでしょう。
この意味で、スラッシュリーディングは一文解釈的内容が含まれます。

一応、スラッシュリーディングの参考書紹介はこちら

Ⅴ実践演習・志望校対策の目的・内容

実践演習・志望校対策とは、総合問題や過去問を解きながら、「得点力」を上げる学習です。
大学入試においていちばん重要なようにみえるかも知れませんが、実はそうではありません。
ここまでの内容がしっかり身についていれば2、3ヶ月程度でもなんとかなる段階です。(特別な形式は除く)

実践演習・志望校対策は本当に多岐にわたりますが、代表的なものとして、以下のようなものがあります。
・リスニング
・英作文
・要旨要約
・発音アクセント
・段落整序
などなど…
(参考書紹介はこちら)

実践演習をする中でもっとも重要なのは志望校の過去問をまず初めに見ることです。
・リスニングはあるか、あるとすればどういう問題か(選択?記述?ディクテーション?)
・英作文はあるか、あるとすればテーマは何か、自由度は高いか、それとも実質和文英訳か
・それらの問題形式の配点はどの程度と予想されるか(模試も参照しよう)
などなど…

詳しくは大学別対策(リンク)を参照していただけるとよいかと思います。
そちらでも大学別対策に役立つ参考書を紹介しています。

さあ、今日から学習を始めよう!

ここまでお読みいただきありがとうございます! 英語の学習の全体像が多少なりとも明確になれば幸いです。
もし不明点があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
志望校へのスタートダッシュをいますぐに切りましょう!