心理学でわかる! 効率の良い暗記のしかた 

受験勉強では覚えることがたくさんあります。折角なら、暗記は楽しく、効率よく進めていきたいですよね。

ここでは、過去の心理学的研究に基づいて、記憶の種類について整理します。

そのうえで、効率の良い暗記方法について提案します!

記憶の種類

記憶には、大きく分けて3種類あります。

1.感覚記憶(非常に短い)
2.作動(短期)記憶(あまり残らない)
3.長期記憶(長く残る)

入試において活用できるのは基本的に「長期記憶」のみです。
知識は長期記憶として暗記しなければなりません。この長期記憶にも種類があります。

例えば、英単語を単語帳で見たとき、それはまず短期記憶として暗記されますが、これはすぐに忘れてしまいます。
長期記憶化するには、「リハーサル」といって、何度も繰り返して覚えようとしなければなりません。

また、長期記憶の方法について、人によってどの方法が得意かについては差があります。

例えば、視覚イメージで覚えるのが得意な人は「ビジュアライザー」と呼ばれます。

最初は色々な方法、例えば視覚・聴覚・音読・書き取りなどを試してみましょう。

そうして、自分はどの方法が向いているのかな、ということをなんとなく掴んでいきましょう。
一つだけでなく、複数の方法を併用するのも効率の良い暗記には適しています。

記憶のプロセス

一概に「記憶」と言われるものの中にも、幾つかのプロセスがあります。それがこちら

1.符号化・・・情報の「インプット」
2.貯蔵・・・情報の保管
3.想起・・・情報の「アウトプット」

みなさん「記憶」といえば2.貯蔵を思い浮かべることが多いのかもしれないと思いますが、実はそうではないのです。

このプロセスを意識して、貯蔵における「漏れ」を少なくするだけでなく、想起においてこれを容易にできるよう、ヒントを活用する、など多様な手段を取りたいですね。

長期記憶の分類

では、次に長期記憶にも複数の種類があることを見ましょう。

1.宣言的記憶 (例)「初代アメリカ大統領はリンカンである。」といった言語的記憶
2.非宣言的記憶  (例)自転車の乗り方、といった非言語的記憶

学習で用いるのは1.宣言的記憶です。

宣言的記憶にも「エピソード記憶」・「意味記憶」があります。

前者は、個人的な体験についての記憶で、後者は「初代アメリカ大統領はリンカンである。」といった、一般的な知識であり、いつどこで身につけたかわからないものです。

ここでポイント。
何かというと、極めて個人的なものに見える「エピソードを一般的な知識の記憶に転用することが出来る」ということ。

どういうことか。勉強において覚えるべき知識は基本的に一般的知識です。(漢字とか英単語とか)

そこで、個人的なエピソードを一般的知識にむりやり紐付ければよいのです。

例えば、Public Sanitation 「公衆衛生」というフレーズがシステム英単語という参考書にあるのですが、これを覚えたいとしましょう。

ここでエピソードを考えてみて、CMでサニクリーンっていう会社があったな→サニ+クリーンってなんか「衛生」ぽいよね→サニ+テーション(名詞を表す)でいけるな 

という風にします。なかなか無理矢理なのですが、案外覚えやすくなります。

以上、心理学的研究に基づいて効率の良い暗記法を提案してきたがいかがだったでしょうか。

皆さんの学習に役に立てば幸いです。